足場材はリースすべき?購入すべき?

 

 

外壁工事などにおける足場施工に際して、必ずと言っていいほど必要になる足場材。

 

一般的な足場工事においては、あらかじめ足場材を必要な分だけ購入して施工に用います。

 

しかし、工事の施工規模によっては、一度に莫大な量の足場材を購入する必要があります。

 

足場を施工する側としては、足場材にかける費用はできるだけ抑えたいですよね。

 

そんな中、足場材を中・長期にわたって貸し出す「リース」を利用している足場業者が近年多く存在しています。

 

リースは「足場材の貸し出し」を意味するので、足場材を購入する場合より費用を抑えることができますが、リースが足場材の購入より絶対的に良いというわけではありません。

 

そこでこの記事では、足場材のリース、購入それぞれのメリット・デメリットを紹介した上で、両者をどのように利用していけばいいのかについて解説します。

 

1.リースとレンタルの違い

 

 

資材の貸し出しと聞くと真っ先に思い浮かぶのは「レンタル」という言葉です。

 

「貸し出し」という意味では、リースもレンタルも同じですが、厳密には両者がもつ意味は異なります。

 

では、具体的にどのような点が異なるのでしょうか?

 

・リース

 

リースとは、特定の企業に対して長期契約(半年〜年単位)という形で足場材を貸し出すことを意味します。

 

・レンタル

 

レンタルとは、不特定多数の企業や個人に対して、1日単位(1日〜月単位)で足場材を貸し出すことを意味します。

 

リースとの大きな違いは、短期契約であること、そして中途解約が可能であるということです。

 

 

今回はレンタルではなく、リースに焦点を当ててお話しします。

 

2.リースのメリット・デメリット

 

近年多くの足場業者が利用しているリースですが、その性質からいくつかメリットとデメリットがそれぞれ存在します。

 

メリット

 

まず、足場材をリースすることのメリットについてご紹介します。

 

①足場材を購入するより(短期的には)安価である

 

先ほども上述しましたが、足場材を購入する場合、施工規模によっては莫大な量の足場材を購入しなければなりません。

 

一方で足場材のリースは、必要な時に・必要な分だけ賃貸を受ければいいので、足場材を確保する1回当たりの費用が、足場材を購入する場合より安くなります。

 

②足場材の保管場所を確保する必要がない

 

足場材をリースすることの大きなメリットの一つがこれです。

 

最初から足場材の購入を考えずリースだけを行なう場合、必要な時にだけ借りて、使い終わったらリース会社に返せば良いので、わざわざ足場材を保管する場所に頭を悩ませる必要がありません。

 

また本来であれば、使用する足場材の量が多い場合、それらを保管するための人員を確保する必要があり、その分人件費がかかってしまいます。

 

しかし、リースであれば足場材を保管する人材を確保する必要がないので、人件費を削減することができます。

 

デメリット

 

次に、足場材をリースするデメリットについてご紹介します。

 

・利用料金に差がある

 

足場材をリースする会社は全国に数多く存在していますが、会社の規模や取引できる足場材の量は、当然ながら一定ではありません。

 

そのため、会社によって足場材の利用料金に差が生じます。

 

利用料金の違いが相場金額の範囲内であればそこまで問題ではありません。

 

しかし、相場金額を大幅に上回る会社や、足場材を購入するよりも高い金額でリースをしてくる会社も中には存在します。

 

その結果、余計な費用を足場材に割いてしまう可能性があります。

 

・足場材の使用に神経を削らなければならない

 

リースした足場材はあくまで「借り物」であるため、汚したり傷つけたりしないように丁寧に扱わなければなりません。

 

もしリースした足場材を使用した後に、欠陥や破損箇所が見つかった場合、リース時の金額に加算して料金を請求される場合があります。

 

そうすると、細心の注意を払って足場材を使用しなければならないので、肝心の工事に集中することができません。

 

また、足場材の返却期限までに工事が終わらなかった場合、延滞料金を払わなければならない可能性があります。

 

そういった意味でも、リースした足場材の使用には気を使わななければなりません。

 

 

3.足場材を購入するメリット・デメリット

 

この章では、足場材を購入することのメリットとデメリットをご紹介します。

 

メリット

 

①足場材の状態を自分の目で確認できる

 

足場材のリースをするとなると、実際に足場材が届いてから状態を確認する場合が多いです。

 

そのため、届いた足場材にすでに欠陥が生じており、安全に使えるか不安があるという場合も珍しくありません。

 

一方で足場材を購入する場合、足場材の状態を自分の目で確認した上で選択することができるので、リース材よりも安全性を高めることができます。

 

②長期的なコストを抑えられる

 

足場材をリースする上での大きな懸念事項として、足場材の返却期限複数回にわたる出費が挙げられます。

 

しかし、足場材を一度購入してしまえば、その足場材が壊れてしまわない限り追加費用はかからないので、リースのように出費を重ねる必要がありません。

 

その結果、長期的には足場材にかける費用をリースより抑えることができる場合があります。

 

また、購入した足場材は自社の所有物となるので、返却期限のような不安要素に駆られることもなく、落ち着いて作業に打ち込むことができるでしょう。

 

デメリット

 

①初期費用が高い

 

足場材を購入することの最大のデメリットがこれでしょう。

 

足場材は決して安価なものではないことに加え、不足の事態に備えてある程度資材の量を確保しなければならないので、一度にかかる費用が非常に高くなります。

 

そのため、設立して間もない会社で、大量の足場材を購入するためのお金を用意できない場合は、購入に踏み切ることは難しいです。

 

②足場材の保管場所を確保しなければならない

 

足場材を購入するもう一つのデメリットとして挙げられるのがこれです。

 

上で述べたように、足場材を購入するとなると、ある程度の量の資材を確保する必要があります。

 

そうすると必然的に、足場材を保管するためのスペースも確保しなければなりません。

 

また、大量の足場材と大きな保管スペースを管理しなければならない人員の確保も必須となり、人件費がかかってしまうのもデメリットの一つです。

 

4.リースをすべきか購入すべきか

 

 

ここまで、足場材のリースと購入それぞれのメリット・デメリットについてご紹介しました。

 

どちらの選択肢も良し悪しがあり、一概にどちらの方が良いとは断言できません。

 

しかし、状況に応じてより良い選択をすることはできます。

 

では、具体的にどのような状況でどちらの選択肢を選べば良いのでしょうか。

 

以下で詳しく解説します。

 

リースをすべき場合

 

・大きな出費を抑えたい場合

 

今までも述べてきたように、リースは購入に比べて一回当たりにかかる費用が少ないです。

 

そのため、足場材を購入できるほどの資金を確保できない場合や、会社を設立して日が浅く初期費用を抑えたい場合など、大きな出費をできるだけ抑えたい場合にはリースがおすすめです。

 

・足場材の扱いが丁寧な場合

 

リースした足場材は借り物であるため、破損や欠陥がないよう綺麗に扱わなければなりません。

 

逆に言えば、綺麗に扱うことさえできれば、購入するより安く足場材を調達・利用することができます。

 

したがって、足場材へのコストを抑えたい上で、足場材を丁寧に扱える自信がある場合は、リースを選択すると良いでしょう。

 

購入をすべき場合

 

・費用を支払うことができる場合

 

繰り返し述べてきたように、足場材の購入には非常に多くの費用がかかります。

 

そのため、会社規模が大きい場合業務実績が著しく向上している場合など、十分な資金が確保できる場合には足場材を購入した方が良いでしょう。

 

・足場材の保管場所を確保できる場合

 

足場材の購入を検討する際は、資材を保管できる十分なスペースがあるかどうかを確認し、場合によっては確保することが必要です。

 

さらには、大量の足場材を管理するための人件費を割けるほどの資金が自社にあるのかも含めて検討し、可能であるならば足場材を購入すべきです。

 

・業務に全神経を集中させたい場合

 

リース資材は壊さないことが前提なので、人によっては業務に集中できない場合があります。

 

そうすると工事の質が下がり、現場で事故を起こしてしまう可能性が高くなります。

 

また、業務に集中できず工期が遅れると、足場材の返却期限に間に合わず延滞料金を払わざるを得なくなるという結果を招いてしまう場合があります。

 

足場業者は常に危険と隣り合わせである上に、天候などの影響でやむを得ず工期が延びてしまうことも少なくないため、作業中は常に気を抜けません。

 

そのため、現場の業務に全神経を集中させたい場合には足場材を購入して、資材を傷つけかねないことへの懸念をなくした方が良いでしょう。

 

 

まとめ

 

本記事では、足場材のリース、購入について両者のメリット・デメリットを述べた上で、2つの選択肢をどのように選べば良いのかについて解説しました。

 

会社の現場や現場状況などを鑑みて、足場材を利用する期間を明確にした上で、リースをするのか購入するのかを決めると良いでしょう。